先週の日曜日、2013年10月20日(日)
高知県四万十川周辺で行われた四万十川ウルトラマラソン(100km)に挑戦してきました。
レース当日は朝5:30のスタート。
2:30に起床して、体と頭を起こして会場に向かいます。
スタート会場に到着してからも、辺りは真っ暗でした。
驚いたことに、地元の中高生とおぼしき子ども達が
こんな朝早い時間からお仕事をしてくれていました。感謝です。
スタート会場に集まったランナー達はみんなリラックスモードです。
フルマラソンやハーフマラソン会場では、
多くのランナーがジョギングやダッシュをして体を温めますが、
ウルトラの会場ではせいぜい柔軟体操をするくらいで(睡眠をとっている人もいるくらいで)
誰も走ったりはしていない様子でした。
目標タイムは11時間を切り、10時間台で走ること。
後半の落ち込みも考えて、キロ6分で走り、最後にツジツマを合わせる作戦です。
いよいよスタート時間。
辺りはまだ真っ暗ですが、沿道にはかがり火がたかれ、
道路は車のヘッドライトで道を照らしてくれていました。
先は長い。
オーバーペースにならないように、常にタイムを見ながら走ります。
左手にPolarのGPS付きのコンピュータをはめました。
スピード、ペース、走行距離、心拍数、ストップウォッチ、時計、、、
さまざまな情報を表示できます。
4段表示することができるので、上から、
現在のペース(キロ何分何秒表示)
現在の心拍数
ラップタイム
総タイム
としました。
ラップは10km毎にとり、目標は1時間以内に走る。
道路上には1km毎に表示があるので、その時にラップタイムをみてペースを調整します。
たとえば、
13km地点でラップタイムが19分00秒だった場合、目標タイムより1分遅れていると判断。
少しだけペースをあげて、20km地点を越えるときに
ラップタイムが60分00秒以内に走れるように頑張ります。
こんな風に、100kmを10分割して走りました。
天候は曇り、ときどき雨って感じで、霧雨や小雨が時折降っていました。
21km地点くらいにかけて標高約600mの峠を越えます。
18km以降、徐々に登り初めて21km地点くらいまで、グッと登ります。
峠を越えると、30km地点くらいまで下りです。
下りでブレーキをかけてはもったいないので、いっきに走り降りました。
たくさんのランナーを抜かしていきます。
周囲のランナーに「あいつ、こんな所で飛ばしてバカじゃないの?これ100kmマラソンだよ」
って思われてるのかなとか思いながら走りました。
どうせ後半でつぶれるなら、
それまでの間にやれるだけの事はやっておきたいと考えるようになりました。
後悔しないように。
37kmくらいのところで、応援に来てくれていた家族と会いました。
彼らは有料の応援バスに乗り、この37kmくらいのところで待ってくれていました。
元気に手を振って、まだまだ走り続けます。
40kmを越えて、フルマラソンの42.195km地点も越えていきます。
42.195km地点を越えて時計を見ると、
初めてフルマラソンを走ったときよりも速いペースで走れている事がわかりました。
成長したものです。
さて、55km地点からまた約1kmの登りが始まります。
先行ランナーが歩いて登っていましたが、私は彼らを横目に意地で走って登りました。
どれだけ遅く走っても良いから歩いてはいけない、そう思っていたのです。
一度でも歩くと「歩き癖」がついてしまい、しんどいとすぐに歩いちゃいそうなので…。
とぼとぼ走って登っていると、後ろから足音が!
「この坂きついですね~!」と笑顔で声を掛けてくれるランナー。
その人はとてもいいペースで走っています。こんなに坂がきついのに!
私も必死に「きついですねー!ってか、めっちゃ速いですね!」と返します。
すると「もうすぐ中継地点ですからね!頑張りましょー!」とかっこよく去っていきました。
かっこいい!!
中継地点。そうだ61km地点にレストステーションがあって、事前に預けた荷物を受け取れる。
それにまた家族の応援に会える。
頑張ろう。
軽快に下りを走ってしばらく行くと、
近くにいたランナーと3人で走ることになりました。
互いに「何回目ですか?」とか自己紹介をして、
私は初めてだったのでいろいろと教えてもらえました。
人と話しているとあっと言う間に距離が稼げるので楽ですね。
そしてとても有力な情報を得たのです。
「このペースだと、サブテンいけますよ」と。
サブテンとは、ウルトラマラソン100kmを10時間以内に走ること。
(※もしくはフルマラソンを2時間10分以内に走ること)
一般ランナーの壁であり、一種のステイタス。
初挑戦の私が、10時間以内に走れるのか?
確かに50kmを走った時点で、4時間36分でした。
少し希望が見えてきたので、私の目標は大幅に変更されました。
「11時間をきること」から「サブテン。10時間をきること」です。
頑張ろう。これは頑張るしかない。
そうこうしているうちに、レストステーションに近付きました。
レストステーションでは、自分の預けて荷物の中からゼリー飲料を2つ飲み込みました。
そして家族にサブテン目指す宣言をして、3分くらいの休憩で走り始めました。
いちおう、トイレにも寄ったので計5分くらいレストステーションにいたことになります。
大会側が用意してくれたおにぎりを頬張りながら後半戦頑張っていきます。
ここまで来たらあと38kmほどです。
もうすぐ終わり。(本当にこんな感覚になるのです)
しかし、実際にはもうすぐ終わりではありませんでした。
特に70km台が本当にしんどかったです。
一緒に走るランナーは周囲にいなくて、完全一人旅。
「ようやく73kmか」と思って、表示を良く見ると「72km」………。
ええ!まだ72kmなの!と思いながら必死に走ります。
実際に70km台は1時間7分ほどかかってしまいました。
これではいかん。
しかし、あと20kmだけ!頑張るしかない。
もうここまで来たら最後まで走れるに違いない。
つぶれてもいいから、頑張って走ろう。力の限り走ろう。
だんだんと筋肉も固まってきて、腰も痛くなってきました。
なんとか楽なフォームを探しながら、走り続けます。
「とりあえず次の給水所まで」「とりあえず90km地点まで」などと小さな目標をたてながら。
そしてついにあと10kmになりました。
もう終われる。終わってしまう。あと、1時間もないのか。
91kmを越えたら、「あと9km」と思うのではなくて、
「あと8.9kmくらいか」と前向きになるべく残距離を短く考えるようにしました。
しかし、時間との戦いです。
90kmを越えた時点で、8時間52分。
キロ6分を維持しないと、サブテンはなかなか難しい。
やはり後半で少しずつペースが落ちているのです。
道中たくさんの人たちが応援してくれました。
私はひとつひとつに「ありがとうございます!」と返事をしていました。
のこり2kmくらいになってから、語尾をかえました。「ありがとうございました!」
応援の人たちも「頑張って!」から「おかえりー!」に応援がかわります。
ある時、沿道の応援に私が「ありがとうございました!」と応えると、
そのオバサマは「こちらこそ、ありがとう!」と返してくださったのです。
本当に感動しました。ありがとうございます。
99km地点に坂があります。この期に及んで上り坂かよ!!
そしてなぜか応援の父親がいました。
え、ゴール地点で待ってるんじゃないの? 残り1km地点?
一応歩道の方に寄り「なにしてるの?」って感じで視線を送ると
「とまるなよ!」と声をかけられました。
なるほど、「この坂で歩くな」という意味ですね。
確かに前方でランナーが歩いている。
どんなに辛くても、あと6分くらいで全てが終わると考えると、
こんな坂頑張って登ってやります!!出し切ろう!サブテンがかかっている!!
そしてようやくゴール!!
帰ってきた。これで終われる。 終わってしまった。
時間は9時間54分。頑張った。なんとか、10時間を切れた。
前半で貯金を作っておいて良かったです。
アホみたいに、下り坂を飛ばしておいて良かったです。
その貯金が無かったとしたら、サブテンは無理だったでしょう。
10時間走り続けた後も意外と元気でした。
冷静にアイシングをして、補給をして、ストレッチをして…。
しかし、段々と筋肉痛は出てきて、
ホテルに帰ってからシャワーを浴びるのも大変でした。
まず、バスタブをまたぐのに一苦労(笑)
しかし、100kmを無事に走り切れて良かったです。
遠いところまで応援に来てくれた家族に感謝。
大会に関わってくださったスタッフやボランティアの皆さんに感謝。
沿道で応援してくださった地域の皆さんに感謝。
メール等で応援してくださった皆さんに感謝。
年代別の順位でも上位に入ることができました。(入賞にはいたりませんでしたが…)
本当にありがとうございました。