塾講師、小6女児刺殺の疑い
教室内に出刃包丁 京都
2005年12月10日13時17分 asahi.com
10日午前9時ごろ、京都府宇治市神明石塚の学習塾「京進宇治神明(しんめい)校」から「生徒を刺した」と110番通報があった。宇治署員が駆けつけると、同市開町、京都府職員の堀本恒秀さん(42)の長女で、同市立神明小学校6年、紗也乃(さやの)さん(12)が首や胸を数カ所刺されて倒れており、病院に運ばれたが間もなく死亡が確認された。府警は現場にいた同塾アルバイト講師の同志社大学生、同市寺山台3丁目、萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて調べている。
調べによると、同塾はビルの2階にあり、紗也乃さんは塾の教室内で刺された。他の塾職員が異常に気付いて教室に行くと内側から施錠されており、ドアをたたくと手を血まみれにした萩野容疑者が出てきたという。府警は萩野容疑者が紗也乃さんを教室に閉じこめ、逃げまどうところを刺したとみている。
教室内は机が散乱し、床に血が落ちていた。萩野容疑者が使った出刃包丁(刃渡り17センチ)などが教室にあり、押収した。
各教室には防犯カメラが設置され、事務室でモニターが見られるようになっていたが、紗也乃さんが刺された教室だけモニターの配線が切断されていたといい、府警は萩野容疑者が事件の発覚を遅らせようと細工した疑いがあるとみている。
調べに対し、萩野容疑者は「口論になって刺した」と供述しているといい、詳しい動機を調べている。萩野容疑者は自分の携帯電話で自ら110番通報したという。
「京進」(本社・京都市下京区)によると、萩野容疑者を03年11月にアルバイト講師として採用。小学生に国語を、中学生に英語を教えていた。紗也乃さんは塾に対し萩野容疑者の授業を受けたくないと伝え、今月から国語の授業を受けていなかった。
宇治神明校ではこの日午前9時から塾生を対象にテストを予定。児童十数人が集まっていた教室に萩野容疑者が姿を現し、「国語に関するアンケートを取りたい」と言って児童を別の教室に移動させた。国語をとっていなかったため教室に1人だけ残った紗也乃さんを刺したらしい。
京都府警によると、萩野容疑者は01年4月に同志社大に入学。03年6月、同大図書館で女子学生のかばんから財布を盗み、見とがめた警備員を殴って負傷させたとして強盗致傷容疑で現行犯逮捕された。
同大によると、この事件で同年10月から今年3月末まで停学にしていた。現在は法学部に在籍しているという。
京進の立木貞昭社長は「信じられないことが起こり、たいへん申し訳ない。講師の倫理教育に取り組んできた矢先なのに。親御さんに何と言っていいかわからない」と声を落とした。
現場はJR宇治駅南西に約1キロの住宅街。紗也乃さんが通う神明小の東約300メートルにある。京進宇治神明校が入ったビルは3階建てで、飲食店などが入居している。
10日午前9時すぎ、京都府宇治市神明石塚の学習塾「京進宇治神明校」から、「子供が刺された」と110番があった。宇治署員が駆けつけると、宇治市の地方公務員堀本恒秀さん(42)の長女で市立神明小学校6年、紗也乃さん(12)が包丁で刺され心肺停止状態となっており、病院に運ばれたが間もなく死亡した。同署は殺人未遂の現行犯で、現場にいた同塾のアルバイト講師で同志社大生、萩野裕容疑者(23)を逮捕した。萩野容疑者は自ら110番したという。紗也乃さんは塾の生徒で、荻野容疑者は「口論になって刺した」「女児にからかわれていた」などと供述しており、同署は殺人容疑に切り替え、詳しい動機などを追及している。
調べでは、萩野容疑者は塾の2階教室内で紗也乃さんの首など数カ所を出刃包丁(全長29センチ、刃渡り10七センチ)で刺したという。同署が包丁を押収した。
塾はビルの2階にあり、神明小学校の児童が多く通っていた。この日は午前9時から試験があり、13人の生徒が教室に集まっていた。ほかの12人が国語の試験で別の教室に移った後、試験を受けない紗也乃さんと萩野容疑者が2人で教室に残っていたという。
萩野容疑者は国語の講師。塾側によると、紗也乃さんは萩野容疑者を嫌っており、今月に入ってから萩野容疑者の授業を受けなくなった。問題集を持ってくるのを忘れた紗也乃さんを、ほかの生徒の前でしかりつけたこともあったという。
京進宇治神明校は、小中学生向けの指導を中心に行い、京都、滋賀両府県などで約200教室を展開している学習塾「京進」の系列校。民間信用調査機関によると、本部は京都市下京区で、1981年に設立された。本部は「このようなことになり申し訳ない」と話している。現場はJR奈良線小倉駅から南約1キロの住宅街。
[ 2005年12月10日 10:36 スポニチ ]
その他、各社で報道が成されています。
全てを取り上げる必要はないと思いますので、上記2社の記事を引用させていただきます。
大変悲しい事件です。
愕然としました。
同じ塾講師(私は京進勤務ではありません)として、同じ同志社大学生として、
なんと言えば良いのか分かりません。
「どうして?」 と思いました。
なんで…。
どうして包丁なんて持っているんですか。
相手は小学生ですよ、相手は生徒ですよ。
何て事するんですか、どうやっても取り返しは付きませんよ。
最低です。
鍵をかけて、二人きりで、しかも数カ所を刺したって…、
何を考えているんですか。
そして、自分で通報した。。。
今回のこの容疑者、以前にも学内で事件を起こしています。
図書館で窃盗を働き、制止した警備員を殴ったとのことで。
その時も結構ショックだったのを覚えています。
最近、幼い命が奪われる事件が多発していて、危機管理にも敏感になっているところなのに、
教育の場でこのような事件が起こるなんて、保護者は何を信じて子どもを預ければいいのか
分かりませんよ。
本来、学校の中、塾の中って安全でなければならない場所であるはずです。
そして家の中も。
先日大阪府で、女性姉妹が自宅で襲われた事件もありました。
警察署で、セクハラやわいせつが起こったというニュースもしばしば耳にします。
一体、安全な場所はどこなんでしょうか。
以前、自分の生徒に「塾に来ると、なんだか安心する」と言われた事があります。
「塾に来たら成績があがるから安心」という意味ではなく、
「家や図書館は落ち着かないけれど、ここ(塾)に来れば安心する」との意味だということを
確認しました。
そういった場が理想だと思います。
そしてそれが現実化するように、塾は努力しなくてはならない。
子どもは宝です。
複雑な思いを携えて、私も塾へ出勤することにします。
みんなの元気で屈託のない笑顔を見ると、きっと癒されます。